暗夜の灯火
1.基本情報
シナリオ名:暗夜の灯火
シナリオ作成者: すの
推奨人数:3~4名
シナリオ傾向:○探索 ○交渉 △戦闘
セッション時間:ボイセ3~4時間 テキセ:6~8時間
キーワード:和風ホラー、RP重視(NPCとの会話多め)
2.初めに
3作目の自作シナリオですが、他の方がこのシナリオを回した場合、どんな感じになるかなあと気になったのでこの度お試しで公開してみることにしました。ボイセ4時間なので、平日夜でも出来る、お手軽な感じを目指しました。
本シナリオは、刀剣男士用シナリオとして作成していますが、特殊なキャラメイクなどはありませんので、導入をすこし工夫していただければ、一般PCシナリオとしても使用出来るかと思います。
ご自由に持ちより、遊んでみていただければと思います。改変等は自由です。無断転載、二次配布、またネタバレ等の呟きはお控えください。
感想、ご意見、修正箇所等教えていただければ大変喜びます。ないかと思いますが、動画等にされる場合は事後でも構いませんので一報頂けると嬉しいです。
(連絡先:twitter:@snssn か @snssn_ia メール:3b@snn.rdy.jp)
3.探索者作成
基礎ルルブ、2010、2015準拠、ただし刀剣男士で作成してください。
継続キャラ可。 探索者は全員同本丸の刀剣男士とする。
推奨技能:<目星><聞き耳><精神分析><交渉技能>
※セッションを始める際に近侍をだれか決めましょう。
4.PL向けあらすじ
「おい、今剣を知らないか?」
岩融はそう尋ねてきた。 今剣は出陣も遠征もしていないのに、どこにも居ないという。
聞けば、他にも姿が見えない刀剣が居るようだが...
一体彼らはどこに行ってしまったのだろうか?
また同じ頃、鶴丸は退屈しのぎにこんな話を振りまいている。
「こんな噂話は知ってるか?」
彼は両手を前に出し、だらりと垂らした。
「ここの庭......、『出る』らしいぜ?」
※以降、シナリオのネタバレがあります。
5.KP向けあらすじ
探索者所属の本丸の庭に、ルーメンにより幽世(かくりよ)への入り口が開いてしまったのが今回の事件の発端になります。
迷い込んだ刀剣男士を探しに、探索者は幽世への入り口に足を踏み入れます。
探す道の途中に、過去に燃えてしまった大正時代の旅館を見つけ、そこに立ち寄ることになるでしょう。
旅館の付喪神である女将は、探索者をずっと泊まっていくよう強制し、もうこれ以上「燃えることのない」ようにするため、神話生物の召喚を進めています。
黄泉の世界より来た刀剣男士も、探索者に付いて行き、現世に戻ろうと画策しています。
迷い込んだ仲間を救出後、神話生物に飲み込まれていく世界から脱出し、現世に帰還するまでが今回のシナリオとなります。
夜の鬱蒼とした雰囲気、おどろおどろしさ、NPCの 気味の悪さ 、和風ホラーのような雰囲気が出せるとより楽しめるかもしれません。
6.NPC紹介
NPC刀剣は好みに合わせて変更していただいて良いかと思います。
- NPC1 (シナリオ上は今剣)
幽世に迷い込んでしまった刀剣。あちらの世界で意識のない状態となっています。
- NPC2(と同じ刀剣?) (シナリオ上は薬研)
同じく迷い込んだ刀剣・・・と見せかけて、実は黄泉の世界から来た刀剣男士。
震災で燃えた旅館という舞台の特性上、燭台切にするとシナリオの重さがぐっとあがります。そういうのが好きな方は是非どうぞ。
本物のNPC2は、本丸の屋根裏部屋の物置でうっかり寝ていたりします。本物はEDにちょっとだけ現れます。
- 女将
旅館をお客を待ち続ける女性。正体は旅館の付喪神。
旅館は大正時代の関東大震災の火災で燃えてしまった。
- 他、刀剣男士
鶴丸(PCに居る場合は青江など):まんじゅうをくれる とくに触れないが幽世の世界にに詳しい。
NPC1の関係刀(岩融):NPC1を探している。心配している。
NPC2の関係刀(一期):NPC2がいないことに気付く。また帰還時に対応する。
火の玉の噂話を知る刀:短刀を想定
NPC1を昨晩廊下で見たという刀:短刀を想定
7.導入(昼)
■近侍
時間帯はお昼の頃でしょうか。あなたは審神者の手伝いをしています。そんな時、廊下から足音が聞こえてきました。ガラリ、と障子が開くと、そこには岩融が居ます。岩融はきょろきょろと部屋の中を見渡した後、このように尋ねてきました。
「NPC1(今剣)が見当たらないのだが、知らないか?」
知らないと答えると、
「そうか、あやつのことだから、どこか飛び回っているのだろうが...もう少し探してみよう」
邪魔をしたな。そう言って、岩融は再び廊下を進んでいきます。
■他のメンバー
昼間になにをしているかRPをさせると良いでしょう。
アイデアが出ないようだったら、内番をしている、縁側でお茶を飲んでいる、などでよいかと思います。
「どうしたんだい、こんなところで。」
と、あなた方に軽快に声をかける刀が一振。鶴丸です。鶴丸は退屈しのぎに探索者にこのような話をします。
「こんな噂話は知ってるか?」「庭に......、『出る』、らしいぜ」「火の玉が」
「俺が見たわけじゃないんだが、栗田口の短刀のやつらが噂していてな」
- キーワード
「庭に火の玉が出る」「詳しいことを知っている刀の名前」
「夜に出る」(これは後でも良い)
8.夕方
そろそろ夕餉の時間か、皆が広間に集まり始めました。遠征に出ている刀、出陣している刀以外は全員居ると思ってください。
「おや、そういえばNPC2(薬研)がおりませんな」
一期一振がキョロキョロと見回しています。※光忠にする場合は、大倶利伽羅や長谷部あたりが探していると良いでしょう。
探索者は、NPC1(今剣)とNPC2(薬研)だけが居ないと気づきます。
【NPC1についての情報】
「そういえば見たよ、 NPC1(今剣) 」「夜に廊下を歩いているのを見た」
「トイレに行ったのかなって思ったけど...あの方向だと庭のほうに行ったのかも」
- NPC2(薬研)の証言は1つも出てきません。
【庭の火の玉に関しての情報】
火の玉の話は全て出す必要はありませんが、PLの熟成度により、情報量を調整し、誘導してください。
- キーワード
「夜だけに浮かび上がる」「最近になって見るようになった」
「火の玉は、鬼火と呼ばれるものでしょう」「鬼火は、あちらとこちらの境」
(あちらとこちら...現世と幽世)
「もしかしたら、彼らはそれに巻き込まれたのでは?」
「もしあちらに彼らが行ってしまったのなら帰ってこれなくて困ってるかもしれない」
9.庭
もう少しで、日が落ちる頃でしょうか。夕日が、庭全体を橙色に染めています。よく手入れされた庭です。庭には誰も居ません。
探索できる箇所は、池、庭の奥のほう、です。
【池】
池を覗いたあなたは、水面にポウッと明るい光を見たような気がしました。ですが、直後にそれは見えなくなってしまいます。不可思議な現象を見た貴方は0/1のsancです。
【庭の奥のほう】
庭の端、塀に近いところでしょうか。草木の隙間に、片足の下駄が落ちていることに気がつきました。
それは今剣のものとわかるでしょう。
<アイデア>
あなたはここで、今剣が、"ここで居なくなったのだろう"と思うでしょう。
- もし全然PLが思い浮かばないようだったら、それは先ほどの夜の火の玉が関係あるのではないか、等のヒントを与える。
10.夜
日は落ち、辺りは薄暗くなっていきます。夜になる頃に、鶴丸があなた方の様子を見に来ます。
「差し入れだ。腹が空いたら食うといい」そう言って箱を差し出してきます。
箱の中にはまんじゅうが※つ入っています。※饅頭の数は、PC数+NPC数(NPC分は1つだけでも良い)
鶴丸は探索者のことを本気で心配しています。
- 「ちゃんと帰ってこい」というキーワードを伝えるようにしておくと、最後の戻るイベントで探索者が迷いにくいです。
―夜も更け、本丸の刀剣も寝静まったころでしょうか。庭に火の光が、虚空から、ひとつ、ふたつ。
―噂に聞いていた火の玉でしょうか、次々と浮かび上がり、増えていきます。
庭にあるはずのない火の玉をみた貴方がたは0/1D4のSancです。
<目星>
目をこらすと、その火の玉の奥に、壁だったはずの場所に道が出来ているのを見つけました。
うっそうとした木々が見えます。森のようにみえるでしょう。
- 火の玉について ルーメンという神話生物です。
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★ルーメン(松光、魔女の光、鬼火、きつね火)(マレモンp119参照)
STR:2 CON:3 SIZ:1 INT:10 POW:10 DEX:22
耐久:2 装甲:なし ただし魔術以外の攻撃はすべて無効
武器:冷たい火傷 50% 1D6のCON永久喪失
ルーメンをみて失う正気度ポイント 0/1D4
==============
ルーメンとの戦闘は想定していませんが、
探索者が意図的に攻撃をしたならば、ルーメンも攻撃をしてくるでしょう。
11.灯火の路
―あなた方は、突如出来た道へと足を踏み入れました。
―鬼火が、奥へ、奥へと、誘うように、周囲に漂っています。そこはとても薄暗い森です。
―辺りには木々が生い茂り、光はかすかにのみあるだけです。目の前に、道があるということがかろうじて分かります。
道は真っ直ぐ一本道です。
<聞き耳>
ゴーン、ゴーンという音が、聞こえてきます。
- 先の旅館にある、召喚に使用している鐘の音です。
※鐘の音の種類について探索者が知りたがった場合は<知識>などで成功したら、「西洋の鐘の音のようだ」といった情報がわかるでしょう。
<目星>
貴方は足元に、もう一足の下駄が落ちているのを見つけました。今剣のもう一足の下駄だと分かります。
【鳥居】
森の中を進んでいくと、通り道に鳥居があることに気がつきました。白い、大層古びた鳥居です。
- 鳥居は、現世と幽世の砦のような場所です。
<オカルト>などを持っている場合は、何か情報を与えるのもよいでしょう。
鳥居を抜けて、少し進むと、森の木々が無くなり、少し開けた場所に出ます。道は変わらず真っ直ぐに続いていますが、道の右手にひとつの建物があります。
- 道を進んだ先は、黄泉の世界へと続いています
建物に寄らず、先の道へ進もうとした場合は、途中で<アイデア>などを振らせて「寒気がする」「これ以上先に進んではいけないような気がする」といった警告を発してください。何度か警告しても進むようなら →ED5へ
【建物】
和洋が混じった建物だなあと思うでしょう。<知識>などがあれば、大正の建築物かなあと気付くかもしれません。
屋敷を覗く、もしくは屋敷の前で騒ぐ?などすると、屋敷の中から女将さんがでてきます。
―女性は、深々とお辞儀をして、綺麗な笑顔を浮かべました。
―「どうぞおいでくださいました」
12.謎の屋敷
屋敷は、関東大震災の際の火事で燃えてしまった、大正時代の旅館です。女性(女将)は、その館自体の付喪神です。女将は、「旅館として泊まる人がいなければならない」という強迫観念を持っています。
女将は探索者に泊まっていかれてはどうでしょう、と提案します。今剣たちのことを聞いても知らない、といいます。 (本当は、今剣はもう旅館内にいます)薬研のことは本当に知りません。
泊まっていく、少し休んでいく、等になった場合は、女将は探索者を客室Dに案内し、食事の支度をします、と部屋を出ていきます。料理ができるまでは、旅館内の探索が可能です。
■旅館MAP
※旅館には、女将さん以外の人は存在しません。
<聞き耳>
先ほど聞き耳をしていれば、鐘の音が、より近くから聞こえていると気づくでしょう。方向は、この屋敷の裏庭のほうだと分かります。
【裏庭】
裏庭には小屋があり、その中には井戸があります。上には鐘が吊り下げられており、その鐘はずっと鳴り続けています。探索者の力では鐘を外せないでしょう。鐘に何かを施そうとした場合、女将が厨から現れます。
井戸に<目星>井戸の中をのぞくとそこには「なにもありません」。暗闇だけしか見えない井戸の中に寒気を覚えたあなたはsanc(0/1D3)です。
【客室A】
布団があります。誰かが寝ているかのように盛り上がっています。布団をめくると、そこには今剣が眠っています。今剣は何をしても起きません。<医学>などで、彼は審神者の治療(手入れ部屋)がなければ回復しないだろうとわかります。
【客室C】
新聞が見つかります。新聞の日付は「大正12年9月1日」(関東大震災当日の日付です)
【厨】
女将さんが調理をしています。おいしそうな料理を作っています。女将さんがあなたがたに気付いた場合、夕食はあと半刻ほどでできますよ、と教えてくれます。
【従業員室】
<目星>で古い写真立てが見つかります。旅館の前で撮影されたモノクロ写真で、服装から恐らく旅館の従業員たちで撮影したものだと気付くでしょう。写真の中には先ほどまで話していた女将さんの姿はありません。
【玄関】
このタイミングで玄関から外に出ることはできません。
- この後のイベントの女将が消えたタイミングから、再び出ることが出来るようになります。
もしどうしても探索者が外に出ることを止められなさそうな場合は、
玄関入り口のところで「不在だった刀剣男子?」に遭遇させた上で、
女将を登場させ、神話生物召喚イベントへと繋げると良いかと思います。
13.夕食の時間
- セッションが冗長になりそうな場合、旅館内での探索制限時間を設けることもできます。そろそろ良いかなというところで<聞き耳>などをさせて、そろそろ女将が料理を持って部屋に来る、という情報を与えましょう。
女将は料理を持って部屋に訪れます。探索者は女将の後ろに一人の刀剣男士がいることに気付きます。もう一人の不在だった刀剣男士、薬研(NPC2)がそこにいます。
「あんたらこんなところでどうしたんだ!」と驚いた様子で探索者に話しかけるでしょう。
- 不在だった刀剣男士?
本当は不在の刀剣男士 (NPC2) とは別人です。彼は黄泉の世界から訪れた刀剣男士ですが、できるならばまた生者の世界に戻りたいと考えています。そのため、あなた方に紛れて一緒に行こうとしています。
※探索者によっては、彼を強く疑ったり、もしくはまるで信じきってしまう人もいるでしょう。どこまで信じさせるか?疑わせるか?の匙加減をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
「気付いたら迷い込んでしまった」「ついさっきこの旅館にきた」「鬼火?なんだいそれは」「ここのものは食べていないぜ」
不在だった刀剣男子?が食事の席に着くと、女将は料理の様子を見守っています。
「お召し上がりにならないのですか?」などと言うでしょう。料理を食べるかどうか、PCたちのRPを見守ってください。
一定時間経過の後、女将はあなた方に、ずっとこの旅館に泊まっていかないかと、薦めてきます。
探索者が難色を示した場合、女将は明らかにおかしな様子を見せるでしょう。
「どうして」「どうしてですか」「なぜ望んではならないのですか」
「ここは旅館なのだから、お客様が泊まっていなければならないのです」
「大丈夫です」「安心してください」「もう燃えません」
「だって、」
―女将がそこまで言うと、鳴り続けていた鐘の音が、ぶつりと止まった。
―あなた方は心なしか肌寒くなったと感じるだろう。気付けば、徐々に辺りに地鳴りが響き始める。
―地鳴りを聞いた女将は取り乱したように「揺れが、また!どうして!?」と
―酷く驚いた様子の声を上げ、そのままフッと消えてしまった。
14.世界からの逃亡
鐘の音により、井戸の奥、地中深くから、ズ=チェ=クォンが召喚されました。
(鐘が強引に止められている場合でも、女将が呪文を唱えることにより召喚可能です)
退散させることは不可能と思ってもらってよいでしょう。
==============
★ ズ=チェ=クォン 暗黒の沈黙のもの (グレート・オールド・ワン)(マレモンp183参照)
STR:該当せず CON:100 SIZ:さまざま INT:20 POW:80 DEX:該当せず
耐久:100 装甲:あらゆる物理的な攻撃のダメージを受けない
魔術と魔力を付与あれた武器のみが効果を持つが、後者は最低限のダメージしか与えられない
武器:盲目 100%
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ズ=チェ=クォンはこの狭間の世界を全て飲み込むでしょう。無が世界を覆う前に、探索者は元の世界へと戻る必要があります。
ズ=チェ=クォン の出現により、まず屋敷の中で探索者の1人が失明します。一定時間ごとに失明者は増えていきます。チョイスなどで選んでいくと良いでしょう。
失明した探索者は1/1D10のsancです。
―何が起きたのだろう...そう思ったとき。探索者の両目に突如痛みが走った。
―痛い、痛い、痛い。目玉をえぐりとってしまいたくなるほどの痛み。
―あまりの痛みに、両目は光を映さなくなった。あなたは失明してしまったのだと気付いた。
旅館の外に出た探索者は、空間が井戸を起点として、徐々に世界が無に飲まれていく光景を目にします。
その光景を目にした探索者は1D3/1D10のsancです。
- 失明者はこの光景を目にしませんので、SANCは発生しません。
- 本来この光景を見た際のsancは 1D6/1D20ですが、難易度を下げるため上記の値にしています。
難易度を上げたい場合は、正規のsancの値でもよいでしょう。難易度を下げたい場合はもう少し低くしても良いでしょう。
―闇が。井戸から這い出た闇が、空を、森を、総てを黒く染めてゆく。ゆっくりと、だが確実に、世界は闇に覆われてゆく。
―ただの無、何も無い黒。空虚。それらが空間を、無秩序に侵食していく。
【白い鳥居】
―鳥居を抜けようとしたあなた方は、今剣が鳥居を境に進めないことに気付く。
―それは薬研も、同じように抜けられないという。
鳥居は、幽世と現世の境、砦のようなものです。
旅館で料理を口にしている場合は通ることができません(ヨモツヘグイのようなものと思ってください)
今剣も、旅館で食事を口にしてしまっており、通ることが出来ません。また、「不在だった刀剣男士?」も通れません(そもそも黄泉の住人のため)
いずれも、鶴丸からもらった饅頭(現世の食物)を食べることにより、通ることが出来るようになります。
「不在だった刀剣男士?」は、あなた方から饅頭を貰うことにより、「招き入れた存在」となり、あなた方の本丸の刀となってしまいます。
逆に、饅頭を与えない限り、 「不在だった刀剣男士?」は通ることが出来ず、鳥居の先には進めずに置いていくことになります。
残された刀剣男士の末路は.........
15.脱出成功(ED)
―あなた方は必死に進んだ。
―森の中を、ただひたすらに。
―あの無が、どこまで迫っているかなどわからなかった。
―永遠に続くと思われる道を進んでいくと、
―あなた方は再び浮かび上がる無数の鬼火はを目にする。
―ああそうだ、あれは、あちらとこちらの境目―――――
―境を抜けたあなた方は、
―見覚えのある自分たちの本丸の庭に辿り着いた。
失明していても、鬼火は瞼の裏に映ります。
全員が失明した場合でも、<アイデア>や<幸運>などで鬼火を見つけさせ、光へと辿らせることにより、脱出の成功率は上がるでしょう。
あとは、連れ帰っているメンバーにより、エンディング分岐となります。
(PC+NPC1帰還 and 不在だった刀剣男士? を連れ帰ってきていない場合)
■ED1 「ある夜の怪談話」
「戻ったか!」
あなたがたの帰りを待っていた岩融が、背負った今剣の姿を見とめ、安堵の声を上げる。
「おかえりなさい、お疲れ様です」
声の方を見れば、縁側に一期が立っている。その後ろに、NPC2(薬研)が居ることに気付いた。
「おう、大変だったな」彼は労いの言葉を口にする。
「屋根裏でうっかり寝こけちまってな。心配かけてすまなかった」
先ほどまで共に行動していた薬研はやはり偽物だったようだ。
なぜ、彼は付いてこようとしたのだろうか...
どこかへと続く路はもう閉じてしまい、あの存在が何だったかを確認する術はない。
ただあなた達は、己と仲間の身の無事に胸をなでおろしたのだった。
(PC+NPC1帰還 and 不在だった刀剣男士? を連れ帰ってきている場合)
■ED2 「死者の帰還」
「戻ったか!」
あなたがたの帰りを待っていた岩融が、背負った今剣の姿を見とめ、安堵の声を上げる。
「おかえりなさい、お疲れ様です」
声の方を見れば、縁側に一期が立っている。その後ろに、NPC2(薬研)が居ることに気付いた。
「おう、大変だったな」
一期の隣に、薬研が居る。この本丸で顕現させている薬研は1振だけのはずだ。
「おい、あんたら...その後ろに居る奴は誰だ?」
それでは、この連れてきた短刀はいったい誰だろうか。
いったい、「何」を連れてきてしまったのだろうか......
「どうしたんだ、皆」
あなた方が連れてきた薬研は、にいっと笑った。
「俺は、この本丸の薬研だぜ?」
(NPC1orPCメンバーを数名置いて来て帰還してしまった場合)
■ED3 「灯火の向こう」
「帰ったか」
戻ったあなた方の中に、戻らない刀が居るのを見止めた岩融は、ため息をついた。
「......何も聞くまい。お前たちだけでも帰ってこれたならばそれを良しとしよう」
「お前たちに重責を担わせてしまい、すまなかった」
またあの場所へ行けることもあるかもしれん、と岩融は空ろに呟いた。
だが、再び道は開く夜は無かった。
あの鬼火は消え失せ、幾日待っても仲間は戻ってこない。
本丸の誰もが、かけがえのない仲間を失ってしまったのだと気付いている。
だがあなた方は、手入れを受け、失明が治った後でも、目を瞑れば瞼の裏にあの時焼きついた無数の灯火が見えていた。
そう、あの灯火の向こうに、無に呑み込まれた仲間がいるのだ ―――
いずれまた路が開く時、今度は己が呑まれる番なのだろう。
あなたはそう、自らの末を思い浮かべた。
(全員帰ってこれなかった場合(全員発狂の上で帰還が困難になった、等))
■ED4 「無明の海」
痛い、目が痛い、だがそれも直に消え失せた。
痛覚も、触覚も、聴覚も、視覚も、機能を失い、無に包まれていく。
もう、燃えることも、折れることもない。なにも、ない。
そのまま刀であることさえ忘れ、なにもかも消えてなくなる頃、
はるか遠くに、無数の灯火が見えたような気がした。
→ロスト
(黄泉の世界へ進んでいってしまった場合)
■ED5 「黄泉の国」
酷い寒気を覚えていたはずだが、気付けば寒気は消えていた。
何しにここに来たのだろう...?もう、思い出せなくなっていた。
暗かったはずの路は明るくなり、暗い道に足をとられることもない。
ふと持っていた箱をの中を見ると、そこには饅頭が入っていた。
この饅頭を渡したものは、なんと言っていたか―――?
それは、ほんの瑣末ごとである。
饅頭を手放し、あなた方は永遠の白夜の日々を送るのだった。
→ロスト
16.報酬
無事現世へと帰還した +1D6
NPC1を連れて帰った +1D4
NPC2に饅頭を与えなかった +1D4
生還した場合、クトゥルフ神話技能 +5%
17.追記:NPC2について
シナリオ終了後のNPC2の扱いについて質問をいただいたので以下に回答します。
基本的に好きな設定にしていただいて大丈夫なんですが、
私がこういうことが考えられるかな~って例を書かせて頂きますね。
残ったNPC2はそのままPCたちの本丸で生活するでしょう。
もしPCたちが二振居ることに疑念を持つようでしたら、
もしかしたら気付かないうちに1振どちらかが減っているかもしれません。
それは以前から居たNPC2刀剣が居なくなっているかもしれません。
残っているのが1振だったら刀解される可能性は下がるのでは、と彼は考えるかもしれません。
こころよく受け入れればそのような行為はおこさないかもしれません。
もしくはただいつの日かと、それを実行に移せる日を探っているかもしれません。
連れて帰ったNPC2をPCが拒否した場合、
その本丸が本丸内での私闘を許可しているなら戦闘を仕掛けられるかもしれません。
PC全員で戦闘を仕掛けるのであれば、普通のNPC刀剣でしかないので倒せるでしょう。
(ただしNPC2も抵抗し、戦闘になるでしょうから、当たりどころが悪ければPCがロストする可能性もあります)
本丸内での戦闘を許可していないのなら戦闘を仕掛けようとしたPCは罰せられるでしょう。
刀解したいのであれば審神者の説得が必要になるでしょう。
(審神者がどこまで許可するかの裁量はお任せいたします)
もちろん帰還した時点でシナリオとしては終了しているので、
バッツリ終了させてしまっても問題ないかとは思います!